生理化学研究ユニット

http://www.physichem.kais.kyoto-u.ac.jp/

ユニット長:阪井康能 (農学研究科)

目的・概要

目的

農学研究科および薬学研究科はそれぞれ食品または医薬品を主要な研究対象としますが、類似した研究者養成システムを有しています。また、「医食同源」の語彙に暗示されているように、食品と医薬品に関する先端研究は、共通の基礎学問や実験技術に支えられています。生理化学研究ユニットにおいては、生命現象を化学的な手法を用いて解析する「ケミカルバイオロジー」分野における優れた実績を基盤とし、生理学を融合することにより、新たな学術となる「生理化学」の創生を目指します。本ユニットにおいては、農学および薬学研究科が連携して医薬品の開発に向けた応用的研究を実施します。

必要性・新規性

食品は栄養機能(一次機能)とともに嗜好性(二次機能)ならびに体調調節機能(三次機能)を有します。「保健機能食品」は、体調調節機能を強化した食品として社会的に注目され、一般食品ならびに医薬品と厳格に区別されています。「食品の機能性」という概念が1980年代に発信されて以降、保健機能食品における基礎・応用研究が順調に進展し、産業として急成長しています。健康長寿社会の実現に向けての社会的要請が益々高まる中で、多くの伝統的発酵食品に恵まれているにもかかわらず、停滞ぎみな我が国の保健機能食品開発を本ユニットにより加速します。

これまで生理学と天然物化学の協調的な学問は発展しておらず、食品に内在する多様な生物機能に関する科学的根拠に基づく解明が立ち遅れています。農学と薬学の連携により、食品成分の多彩な生理機能を先鋭化学的な視点から究明する生理化学研究を実践する本ユニットは極めてユニークな学内組織である。保健機能食品研究において不足していた生理学と化学の研究手法の融合により、分子レベルでの機能性メカニズムの解明が可能になり、さらに医薬品を視野に入れた研究への展開も期待できると考えられます。

参画研究者

◆農学研究科

氏名 所属 主な研究テーマ
阪井 康能 応用生命科学専攻 制御発酵学 食の改善と環境負荷の軽減に関わる微生物細胞機能の探索、機構、高等生物における機能発現、生産
入江 一浩 食品生物科学専攻 生命有機化学 生活習慣病に関わるタンパク質の機能解析と薬剤シーズ開発
植田 和光 応用生命科学専攻 細胞生化学 輸送体研究に基づいた生活習慣病予防
河田 照雄 食品生物科学専攻 食品分子機能学 肥満・生活習慣病の食品機能学的研究
小川 順 応用生命科学専攻 発酵生理及び醸造学 微生物機能探索を基盤とする機能性食品素材(油脂)開発・有用物質生産プロセス開発
三芳 秀人 応用生命科学専攻 生物機能制御化学 ミトコンドリア機能を制御する生理活性化合物のケミカルバイオロジー

◆薬学研究科

氏名 所属 主な研究テーマ
竹島 浩 薬科学専攻 生体分子認識学 循環器系疾患の創薬標的研究
掛谷 秀昭 医薬創成情報科学専攻
システムケモセラピー(制御分子学)
天然物薬学を基盤としたケミカルバイオロジー研究
大野 浩章 医薬創成情報科学専攻
ケモゲノミクス・薬品有機製造学
新規複素環骨格構築法の開発と創薬展開

ユニット特定教員・ユニット特任教員

氏名 所属・職
寳関 淳 農学研究科 応用生命科学専攻 制御発酵学・特任准教授(兼)
石川 文洋 薬学研究科 医薬創成情報科学専攻 システムケモセラピー(制御分子学)・特定助教(兼)
野村 亘 農学研究科 食品生物科学専攻 食品分子機能学分野・特定助教(兼)

ユニットの活動

農学と薬学の連携による生理化学研究を効率的に推進するため、両研究科から9グループが中核となり生理化学研究ユニットを設置しました(2011年4月)。農学と薬学研究科内に研究教育スペースが確保され、天然化合物からの機能性食品や医薬品シーズに関する研究と生理化学の基礎・応用研究が連携しながら実施されています。農学研究科に設置されている3つの寄附講座では、本ユニットの内容と類似する研究も手掛けられており、協調した研究・教育活動も企画されています。

組織・運営体体制図

組織・運営体体制図