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学際融合教育研究推進センター公式本が刊行

Official

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センター設立5年目を迎える節目にあたり、これまでの実践活動とそれをもたらす考え方をぎゅぎゅっとつめこんだ熱い書籍。

その名も、『異分野融合、実践と思想のあいだ。』。

よくある大学組織の紹介本とはひと味違う(失敬!)、「もらってうれしい本をつくる」をモットーに、最高のクリエータたちが金に糸目をつけずに作りました(一部嘘です)。

こちらのサイトから購入可能!(出版社HPにとびます)

・目次

第1部 異分野融合の実践
ユニットの創発と運営支援
分野横断交流会
学際研究着想コンテスト
産学連携
ワークショップ支援事業
大規模自然災害対策・復興 全学大会議
2012 年のシンポジウム「異分野融合の複眼的視座」
効果的なユニット運営のための大勉強会&交流会
分野を超えた学生と教員の出会い創出
学内一斉アンケート
学融合フェロー制度

第2部 異分野融合の思想
異分野の研究者らを同じテーブルに座らせただけで、分野融合が進むと思っていないか?
上から目線の異分野融合。異分野の研究者同士を融合“させる”など、おこがましいにもほどがある
そもそもこれまで融合していない研究分野など何一つない
共通目標のもと、異分野が協力するのが「連携」。異分野が対立するのが「融合」
異分野融合 ≠ 異分野連携
既存の「異分野融合研究の研究」にスッポリ欠けているのは何か?
1970 年代まで「異分野融合」は存在していなかったー 異分野融合の歴史
「私、もともと○○の分野でして」、研究者はなぜうれしそうにこう自己紹介するのか
研究分野が細分化した3つの理由
異分野研究者と接する本来的意味
本来、どの研究分野も融合しているのだから、いわゆる融合領域は「学際領域」と呼ぶ
異分野連携の方法論。初動時におさえるべき3つの要点
学際研究の方法論。それは「学者の構え」
異分野の研究者が集う場の方法論。ファシリテーションは芸に近い
今、異分野融合の知的基盤を作っているので少しお待ちください。
「研究分野を対象とした文化人類学」 研究分野が異なると、地球人と火星人ぐらいの違いがある
「異分野融合プロジェクト」にまつわる典型的な文章に、 素朴なツッコミを入れさせてください
学際融合教育研究推進センターが、企画づくりにおいて、徹底的にこだわっていること
なぜ、学際融合教育研究推進センターに他大学からの視察が絶えないのか
分野の横断をミッションに掲げる「学際融合教育研究推進センター」という存在。
今、それが大学にある意味。

・発刊にあてた担当編集者、デザイナーのFacebook投稿

「編集していた本が形になったので、喜びのあまりシェアさせてください。

この本は、京都大学にある「異なる分野の研究者が連携して、いかに新しい知見を生み出していくか」を支援・研究している組織、「学際融合教育研究推進センター」の活動紹介です。この本は、私にとって、新しいトライアルでした。 中はカラフル、写真を多用したつくりでありつつ、内容はちゃんとした学問の本。 「学問とはなにか」本質を追う著者と構成を詰めていく作業は、エキサイティングでした。 コーデックス装と呼ばれる綴糸が見える装幀は、エッジが立っています。

書店流通させない非売品だからこそ、凝ったつくりにできました。 著者はもちろん、DTP・装幀・印刷・管理のひととおりを、京都の座組みでつくったのはひとつの挑戦です。京都に来てからお会いした方が中心なのですが、かつて上海でいっしょに働いた仲間と再度仕事ができたのもうれしい。本日、印刷屋さんのトラックに同乗して、京都大学に無事、期日通りに納品することができて、ホッとしました。 こうして本ができて、ほんとうにうれしいです。 (編集:呉 玲奈)」


「書店流通しない、非売品。 全国の研究機関・研究者・大学の方たちに主に、配られます。 「 もらってうれしい本をつくる 」をコンセプトテーマに、造本・装釘を考えました。 背の部分は、以前からやってみたかった、綴糸が見える仕様。 フォントも、オリジナルで作成。 字間・行間のヴァリエーションを、何10種類も作り、検証しました。 シンプルでミニマルなデザインほど、粗も出やすいので、古賀の場合は、ひたすら、検証に検証を重ねます。 内容が、今日的なおもしろいテーマですので、最初から「 こむずかしそう・・・ 」とは、絶対に思われたくなく、 POP且つ、軽くなりすぎない、設計にしました。 なにより、京都大学に通いながら、先生や編集の方たちと、さまざまなお話をしたことが楽しく、ためになりました。 どのような分野でも、つきつめて考えている者であれば、かならず、共通の問題や、ポイントがあり、お話ができます。 まるで違う分野でも、使う単語は違っても、根幹は同じですので、話がすぐに理解できるのです。 例えば、自分なら、現代の日本の、または京都の、または地域の、デザインの諸事情・諸問題( 全体論ではなく、 自分とっての視点での問題 )提起ができ、それが、さまざまな事象とリンクしてきます。 本屋さんの、出版の、問題でもいいのです。 どのような分野とも、リンクさせることが可能です。つきつめて、研究し、考えていれば・・・ですが。 『 異分野融合 』、素敵なワード。テーマです。 (装幀:古賀鈴鳴)」

・寄せられた感想

情報学助教(2015/03/24)
「まだじっくりと読めていませんが,パラパラと見ただけでも思いが伝わってきます. 大学が学問(真理)を追求する場所であることは当然ですが, それをもっと活かす場にするためには,面白い場作りをして, 教員も学生もそれ以外の関係者も,皆が楽しいと思わないといけないんですよね.」

行政官(2015/03/30)
「①パラパラめくるだけで、「とりあえず京大で何かやってる、おそらく良いことだ」 というポジティブ印象を持ちました。京大ブランディングに確実にプラスの大ヒットだと思います。 ②本の装丁、手紙の付け方と、まずは手にとった人に読ませる良いセンスを感じます。 また、内容としても、刺さる言葉がちりばめられており、 全体を包み込む担当者らの進め方・考え方にかかるフィロソフィーも、現代的で良いセンスを感じます 一言で言えば、本来のacademicが持つべき、smart creativeを集める洗練された現代的センス。 一部の大学では忘れ去られ、一方、例えばGoogleには民間企業なのに引き継がれているような。 ③第1部の、ねらい、特徴、進捗、展望、という構成は、自己検証も含まれているし、 偽りないんだろうなという、読んでいて気持ちの良い展開でした。 (この手の本は良いことしか書かないことが多くて閉口気味なところに一線を画したと思います) ④一応ネガティブものもお伝えしておくと、第1部も第2部も、4つ目のセクションまでは、頭に入りました。 それぞれ4つ目ぐらいまでは一番の目玉でしょうし、違いも分かるし、キャラも立っているから。 でも、それ以降は、目は通しましたが、ちょっと長かった(笑) 以上、全体的にはとても好印象でした。」

ソフトフェア基礎科学 教授(2015/03/30)
「101頁目の視点は非常に重要だと思います。 異分野融合そのものは成果ではなく自己目的化ではない、具体的な成果が決定的に重要だと思います。 そのような成果の具体例があると、なお良いと思いました(103頁目右下の「科研費の共同申請」や 「ワークショップの共同開催」も、素晴らしいと思いますが、それ自体が目的ではないはずなので)。」


コンサルタント(2015/04/15 )
「学際融合も産学連携も、やっぱり古くからあってなかなか解けない課題ですが、 カタチやオカネでなくて人なんだな〜、と真底思えるセンターの取り組みが詰まってます!」


臨床政策学者 杉岡の独り言」より( 2015/5/10 )

「大学の刊行物というと、”地味で面白みに欠く”というイメージがありますが、こちらの冊子は一味違います。 オール・フルカラーでとてもポップな仕様になっていて、パラパラとページをめくっているだけでも楽しくなってきます。 カフェの本棚なんかに置いてあっても全然違和感ないです。

京都アカデメイアblog「 研究者、院生必見!京大の異分野融合パンフレットがすごい!」」より(2015/04/15)
「あとがきにも述べられているが、タイトルが「思想と実践」ではなく「実践と思想」 となっていることである。 事実、本書の構成も冒頭は実践事例が続き、後半が思想の紹介である。 この順番にこのセンターの異色性と立ち位置、もっと言えばフィロソフィーが全て集約されている気がする。 そして、これこそが「異分野融合の最も要諦であり、課題でもある」 という裏返しでもあろう。 ともかく、非売品であるということだが、この本には「1,200〜1,500円」 くらい払いたいと思った。 こういう本を無償で発行できるのが何ともにくく、すごい。」

静岡県高校3年生(2015/05/13)
「日本の大学では文系、理系の区分がまだまだ強い、しかし現代の多くの事柄(課題)は文系、理系の垣根は無いように思います。 そんな事を考えながら「異分野融合、実戦と思想の間」を読み、京都大学が異分野融合においてさまざまな取り組みを行っている事が写真や図、分かりやすい文章で伝わってきました。特にユニットの創発の取り組みが興味深かったです。私も来年は京都大学の異分野融合の取り組みの場に参加できるよう受験勉強を頑張りたいと思います。」

農業環境技術研究所三中先生ブログ(2015/05/14)
「異分野の研究者を “つなぐ” ことを目指してつくられた京都大学学際融合教育研究推進センターの公式ガイドブック.

前半の第1部「異分野融合の実践」では,「異分野融合」の事例がコンパクトに示されている.

異分野ネットワークになりそうな “卵” を「ユニット」と命名して育てたり,敷居の低い「分野横断交流会」を定時的に開催したり,学際研究着想コンテスト,産学連携,ワークショップ支援など,このセンターがさまざまな試みをしてきたことがよくわかる.

後半の第2部「異分野融合の思想」は,このセンターを切り盛りしている担当教員による,異分野融合の「理念」の解説.そもそも異分野の研究者あるいは研究者コミュニティーを「融合」するとはどういうことかというもっとも核心となる理念がくわしく説明されていて,ワタクシにとってはとても興味深かった」