[工学×文学×環境学]
文化財保存のための環境制御に関する実践研究ユニット
Data
ユニット長 小椋大輔(工学研究科・教授)
WEBSITE
関連部局
工学研究科、人間・環境学研究科、総合博物館、文学研究科
About
文化財の多くは高湿度環境によるカビや、乾湿繰り返しによる材料の変形にともなる劣化など、温湿度変動の影響を受けて劣化が進行する。そのため、これまで空調が導入されておらず厳密な温湿度管理が行われていない収蔵庫等では文化財の環境は今後劣化リスクが高まっていくと考えられ、そのような建物における空調導入方法の検討など保存環境への対策が喫緊の課題といえる。
これらの課題の解決のため本研究ユニットでは、1)屋内・屋外の文化財に共通な観点として劣化メカニズムを考慮した文化財に適した環境条件の明確化、2)屋内文化財に対しては、環境制御のための適切な建築設計、設備設計、また施設の運用等を踏まえた建築、設備の改修・導入方法、運用管理方法の検討、3)屋外文化財に対しては、覆屋による環境調整や、遺跡の地表面被覆条件を調整、劣化進行を遅らせる修理部材の利用の検討などを行う。
本研究ユニットに参加する研究者・技術者は、建築環境工学、構造力学、保存科学分野に加えて、文化財資料の個々の歴史的価値を評価し管理を受け持つ歴史学、考古学の研究者・技術者が参画しており、研究資料としての価値を踏まえた文化財の適切な管理方法に対する合理的な基準の設定や運用・管理方法について議論を行うことができる。また、研究者・技術者が関わる対象毎に設定される課題に対して対策を検討し、唯一無二の文化財の保存に関わる個別の知見の蓄積に加えて統一的な方法論の構築のための実践的研究を遂行する。
Activity
本研究ユニットでは、以下の3つワーキンググループにて課題に取り組んでいく。
1) 屋内・屋外の文化財に共通な観点として劣化メカニズムを考慮した文化財に適した環境条件の明確化
2)屋内文化財に対しては、環境制御のための適切な建築設計、設備設計、また施設の運用等を踏まえた建築、設備の改修・導入方法、運用管理方法の検討
3)屋外文化財に対しては、覆屋による環境調整や、遺跡の地表面被覆条件を調整、劣化進行を遅らせる修理部材の利用の検討
Member
氏名 | 所属 | 職名等 |
小椋大輔 | 工学研究科 | ユニット長 教授 |
伊庭千恵美 | 工学研究科 | 准教授 |
橋本涼太 | 工学研究科 | 准教授 |
髙取伸光 | 工学研究科 | 助教 |
脇谷草一郎 | 人間環境学研究科 | 准教授 |
岩崎奈緒子 | 総合博物館教授 | 教授 |
村上由美子 | 総合博物館 | 教授 |
髙野 紗奈江 | 総合博物館 | 研究員 |
吉井秀夫 | 文学研究科 | 教授 |
伊藤淳史 | 文学研究科文化遺産学人文知連携センター | 助教 |
鉾井修一 | 京都大学/建築研究協会/東南大学 | 名誉教授/代表理事/教授 |
高林弘実 | 京都市立芸術大学 | 准教授 |
貴田啓子 | 東京藝術大学 | 准教授 |
水谷悦子 | 東京文化財研究所 | 研究員 |
石川和輝 | 宇都宮大学 | 助教 |
岡村知明 | 京都市文化市民局元離宮二条城事務所 | 文化財保護技師 |