UNIT LIST

所属の研究グループ

専門にとらわれない研究を支援するため、学際センターは学際的ユニットの設置審査、および承認と支援を行なっています。ユニットは公式の有期的学内組織として活動し、これまで60ユニットが活動を展開し、現在は17ユニットが所属しています(2025/04/01現在)

Unit

工学×文学×環境学

文化財保存のための環境制御に関する実践研究ユニット

Data

ユニット長 小椋大輔(工学研究科・教授)

WEBSITE

関連部局
工学研究科、人間・環境学研究科、総合博物館、文学研究科

About

 文化財の多くは高湿度環境によるカビや、乾湿繰り返しによる材料の変形にともなる劣化など、温湿度変動の影響を受けて劣化が進行する。そのため、これまで空調が導入されておらず厳密な温湿度管理が行われていない収蔵庫等では文化財の環境は今後劣化リスクが高まっていくと考えられ、そのような建物における空調導入方法の検討など保存環境への対策が喫緊の課題といえる。

 これらの課題の解決のため本研究ユニットでは、1)屋内・屋外の文化財に共通な観点として劣化メカニズムを考慮した文化財に適した環境条件の明確化、2)屋内文化財に対しては、環境制御のための適切な建築設計、設備設計、また施設の運用等を踏まえた建築、設備の改修・導入方法、運用管理方法の検討、3)屋外文化財に対しては、覆屋による環境調整や、遺跡の地表面被覆条件を調整、劣化進行を遅らせる修理部材の利用の検討などを行う。

 本研究ユニットに参加する研究者・技術者は、建築環境工学、構造力学、保存科学分野に加えて、文化財資料の個々の歴史的価値を評価し管理を受け持つ歴史学、考古学の研究者・技術者が参画しており、研究資料としての価値を踏まえた文化財の適切な管理方法に対する合理的な基準の設定や運用・管理方法について議論を行うことができる。また、研究者・技術者が関わる対象毎に設定される課題に対して対策を検討し、唯一無二の文化財の保存に関わる個別の知見の蓄積に加えて統一的な方法論の構築のための実践的研究を遂行する。

Activity

本研究ユニットでは、以下の3つワーキンググループにて課題に取り組んでいく。

1) 屋内・屋外の文化財に共通な観点として劣化メカニズムを考慮した文化財に適した環境条件の明確化
2)屋内文化財に対しては、環境制御のための適切な建築設計、設備設計、また施設の運用等を踏まえた建築、設備の改修・導入方法、運用管理方法の検討
3)屋外文化財に対しては、覆屋による環境調整や、遺跡の地表面被覆条件を調整、劣化進行を遅らせる修理部材の利用の検討

Member

氏名所属職名等
小椋大輔工学研究科ユニット長
教授
伊庭千恵美工学研究科准教授
橋本涼太工学研究科准教授
髙取伸光工学研究科助教
脇谷草一郎人間環境学研究科准教授
岩崎奈緒子総合博物館教授教授
村上由美子総合博物館教授
髙野 紗奈江総合博物館研究員
吉井秀夫文学研究科教授
伊藤淳史文学研究科文化遺産学人文知連携センター助教
鉾井修一京都大学/建築研究協会/東南大学名誉教授/代表理事/教授
高林弘実京都市立芸術大学准教授
貴田啓子東京藝術大学准教授
水谷悦子東京文化財研究所研究員
石川和輝宇都宮大学助教
岡村知明京都市文化市民局元離宮二条城事務所文化財保護技師