よくある「未来都市像」を吟味するWS
Naoki Miyano「未来のまち」というと、
ついつい先端科学技術で溢れた都市を思い浮かべてしまう。
「未来のまち」というと、ついつい先端科学技術で溢れた都市を思い浮かべてしまう。
しかし、人間の本来の「暮らし」を考える場合、その未来都市像ははたして人類に真なる幸福をもたらすのか?
これらの「問い」に様々な分野からの研究者が集まり、縦横無尽の対話を繰り広げた。
「全参加者がそれぞれの問題意識を披露。数名の基調講演を聴くのではなく、必ず全員の意見を全員が聞く!それが当「京大100分野WS」の絶対ルールです」
・コンパクトシティは本当に幸せか
・スマートシティに本当に住みたいか
・そもそも100%安心安全というものはない
・今の現状はほんとうに我々が望んだものなのか
・不自由さが残るまちが互助的なのではないか
・自分たちの興味関心に素直にしたがう暮らしは良い暮らしではないか
・他人にどれだけ時間が使えるか=幸福
・おおらかな考え方で「地面」ってものをうけとめられないか
・技術が進んでも結局それをつかう人間の精神が一番の問題 e.t.c…
それらをすべて書き出し、即興で5つの問いに仕立て上げ、改めて班に分かれてディスカッション開始。「互助コミュニティーにおける理想と現実の接続問題を考える」、「海外と日本のくらし、その幸福感からみる生き方」、「本当のスマートとは?」、「安心安全が人間をほろぼす」など。
ここで得た議論は、今後何日も、何ヶ月もかけて一つ一つ吟味し、分析し、メタ化し、数個のコンセプトへと生まれ変わります。その際、適宜関連する研究者にお集まり頂き、例えばパナソニック社との共同研究や、社内の検討会へのプレゼン、ゆくゆくは製品化、サービス化、事業化へと展開していくことを目指します。以下、当日参加したパナソニックの方々の感想文より。
「それぞれのメンバーがこれまで余り考えたことのなかった切り口(視点・考え方・社会状況などなど)での意見交換ができ、あーそんな考え方もあるんだ的な新たな気づきが得られた」
「コミュニティは無理に作ろうとしてできるものではなく、街づくりの仕組みを工夫すれば、自然発生し、力強く成長する可能性が高いものだと気付いたこと」
「エチオピア・タイの人々の生活や、家のあり方、街の成り立ちなどWEBや市場レポートでは得られない、生情報、考え方が新鮮で仕事で凝り固まった頭がすこし柔らかくなった」
「集まった方々のように、今回のお題に違和感を持つ人は少数派なのか、実は多くの人が違和感を持ちつつ流しているのか、気になってきました」