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第1回日本オープンイノベーション大賞受賞

Naoki Miyano

第1回日本オープンイノベーション大賞(主催:内閣府)にて、学際センターの取り組みが「選考委員会選定優良事例」として選出されました

「日本オープンイノベーション大賞」は、ロールモデルとなる先導的又は独創的な取組の表彰と発信により、オープンイノベーションをさらに普及させ、我が国のイノベーション創出を加速することを目的としています。

我が国のオープンイノベーションをさらに推進するため、過去15回に渡り実施してきた「産学官連携功労者表彰」を、今般、「日本オープンイノベーション大賞」として新たに実施し、今後のロールモデルとして期待される先導性や独創性の高い取組を称えることとしました。

今回、全214件の応募のうち、内閣総理大臣賞をはじめとする12の賞が14の取組・プロジェクトに授与され、そのうち、京都大学学際融合教育研究推進センターの取り組み、新価値創造事業「京大100分野ワークショップ」が「選考委員会選定優良事例」として選出されました。

全受賞プロジェクトのうち、人文系的な産学連携の取り組みは本件のみであり、京都大学だけでなく、我が国の学術界において非常に価値ある受賞ではないでしょうか? ここが一番誇らしい!!

日本オープンイノベーション大賞の詳細は、内閣府HPのこちら


・受賞対象となった事業
新価値創造事業「京大100分野ワークショップ」

・どんなことをやるのか?
企業が掲示するテーマを元に、京都大学の教員・研究者から
文理問わず100の専門分野を集めてワークショップを開催する
 
・何のためにやるのか?
企業向け:次なる時代にむけてどんな製品・サービスを作ればいいか分からないという企業に対して「新価値」を提供するため
学内向け:共通のテーマで様々な分野の研究者が対話する研鑚場を創出するため

・企業にとってどんな効果があるか?
企業単独では困難な多角的かつ本質的な観点から新事業のコンセプトを創出できる。企業担当者は企画段階から研究者と協働することで、学問のメタ視点や真理追求の思考を学ぶ

・参画機関、参画者のコミュニケーション等における先導性や独創性は?
個別的な技術課題についての取り組みではなく、それを後押しする「考え方」に焦点をあてた。新事業や新価値は、現状において理解・納得されないからこそ新しい。それを「良い」と認めるためには、裏付けとなる考え方や素養が必要。
本事業は、あらゆる技術課題の基盤となる考え方や思想に焦点を当てている。
いうなら学問(哲学)的産学連携。

・全分野にわたる多様なプレイヤーの巻き込み
考え方の追求をするため、自然科学系のみならず、哲学や文明論といった人文科学系、政治、経済といった社会科学系の研究者らを結集し、企業人も交えて共通テーマのもとに縦横無尽の対話を繰り広げる。

・単にワークショップをするだけでなく企画前と企画後こそが本番という仕組み
企業が提供するテーマをそのまま実施することはない。哲学を専門とする学際センター教員が、「その課題はほんとうの解決すべき課題なのか。枝葉ではなく幹か」といった議論と文献調査等の下調べを経た後に、ワークショップのテーマ(問い)を決定。ワークショップ後も、得られた発言内容をそのまま企業にわたすことはない。何が話されたのか、何を得たことになるのかを議論し、必要があれば、該当分野の研究者を再度招集して振り返りワークショップを行っている。

・学際センター担当からの言葉
関わっていただきましたみなさまに心より感謝申し上げます。ほんとうにありがたい。イノベーションといえば理工系、技術的な革新が支配しがちな今日において、このような極めて学術的な内容が受賞プロジェクトに食い込むのは、本当に価値あることでありましょうし、なにより審査員のみなさまがたにそのような目があることを心からうれしく思います。

我が国もまだ捨てたもんじゃないかも。これからもみなさまに面白がっていただけるよう、引き続きがんばります!よろしくお願い申し上げます!

只今、2020年度のワークショップ受付をしております。年間3件のみですが、すでに2社が決定していますので、残り1社とさせていただきます。(2020/04/1記)

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