コンテスト概要

概要

研究者として本当におもしろい!と思うこと、そして、本当に知りたい!と思うことは、
時に「論文」という形式や「学会」という枠にはおさまりきらないことがある・・・。
昨今、学問の細分化が叫ばれて久しい。しかしそういった中でも学術分野間の壁などもろともせず、
この世を構成しうる体系の本性をつき、前例にとらわれない大胆な研究構想(アイデア、ビジョン)を描く。
たったA3一枚の概念図(いわゆるポンチ絵)でその極みを表現し、
分野を超えた研究者どうしの知的探究の対話場をここに開催します。

企画趣旨

研究者らが分野の壁を越えて研究テーマをぶつけ磨き合う研鑽の機会創出をねらいとし、チームで応募する賞金コンテスト型の研究奨励事業。
(主催:京都大学 学際融合教育研究推進センター、事業支援:京都大学鼎会)

募集対象

  1. 京都大学の研究者からなる「チーム」として応募
  2. チームは異なる分野の研究者2名以上で構成すること
  3. 本学教職員、研究者、院生、学部生を代表としたチーム編成であること。
    学外者(他大学、企業、行政など)もチームメンバーとして参加可
  4. 院生、学部生が研究代表者として応募する場合は、チームメンバーとして本学教職員を少なくとも1名以上は含むこと
  5. 同一人物がチームメンバーに連なるのは2つのチームまでとする(なお、代表者になれるのは1チームまで)

注)申請相談窓口やチームメンバーを募集するサポートも実施。詳しくは「募集・審査スケジュール」の項目にて

提出書類

一次審査は概念図(いわゆるポンチ絵)のみの書面審査。
様式は、「A3サイズ」「横型」で「1枚」。

<注意事項>

  • ポンチ絵とは、論理展開が図解にて示されている概念図のこと。
  • 申請者情報(名前、身分、所属組織)をポンチ絵内に記載しないこと。ただし、チームメンバーの分野の記載はOK
  • 専門外にも伝わることを念頭におくこと。
  • 業績や実績に関しては記載不要。
  • 今回からポンチ絵の製作におけるデザインルールを設けました(文字サイズや配色に制限を設けシンプル化!)。

ポンチ絵の様式、デザインルールはこちら

評価方法

「物事の核心を突いている。ゆえにおもしろい」、かどうか。

以下、これまでの審査委員のコメントより評価に関する重要なコメントを抜粋。必読です。

  • 最小限の労力はポンチ絵1枚だすだけ。それで終わりだからこんなに簡単なものはない。とりあえず挑戦するだけでも価値はある。なお、本気で狙おうとするならこのサイトの情報をよく読み考える必要はあるだろう。研究者探しや事前相談など、万全のサポートをフル活用すればいい。
  • ニッチなテーマで結構ですが、枝葉レベルでのニッチもあれば、幹レベルのニッチもあります。つまり、細かく狭いテーマであっても、そこにとどまることはなく、普遍や本質に通じていくニッチでないと意義は少ないでしょう。
  • 記載は盛り込みすぎないで。できるだけシャープに!テーマを記載する上で必要があれば実績や業績を書いてもいいですが、それは評価対象にはなりません。
  • 学問的なものでなくても実践的、プロジェクト的な提案内容でもOKです。ただ、その場合も上記の評価基準に則り、物事の本質を突いているかどうかにこだわってください。例えば「・・・の解決のために、本プロジェクトを提案する」といった場合、その課題の解決においてその実施内容はほんとうにその解決に資するのですか? 対処療法的じゃなく問題の核心を突いてますか?
  • 科研費にだせるような内容では話にならない。評価軸も科研費とおなじように思ってもらっては困る。その枠を超えたところでのエッジーな提案を待つ。
  • 奇をてらったようなテーマはNG。アイデアだけでなくビジョン、すなわち「あなたがたチームが考える未来」について語ることが大事。その際、「そもそも論」から始め、最終的に大風呂敷を広げる。そのくらいのスケール感、メタ感が欲しい。
  • 応募前に、できるかぎりキュレーターと相談すべき。あれこれ悩む前に、第1回からこのコンテストに関わっているキュレーターに問い合わせたほうがいい。

5月、6月

といった方々は、お気軽に事前相談を! 第1回から本コンテストに関わっているキュレーターが二人三脚で支援します!

一次審査(書面審査)

申請者情報を審査委員に掲示しない覆面審査とする。
書面審査には、非公開の審査委員会を編成(審査委員には、本学教員を中心とした研究者、ならびに技術者、起業家、行政、クリエーターらを含む)
書面審査の結果は、各審査委員の言葉をそのまま伝え、遠慮の無い真のフィードバックを申請者に与えるとする

<書面審査の具体的な審査方法と基準>

  • 「まあおもろい」「どちらかというとおもろい」「どちらかというとおもろくない」「おもろくない」の4基準にて評価を点数化。
    ★4:まあおもろい
    異分野間での深い議論が感じられその目指すところがよく伝わる、物事の本質を押さえた普遍性を感じる、大勢に新しい驚きを与える等
    ★3:どちらかというとおもろい
    異分野が集まって現状や自らの価値観を疑い、互いに批判しながらテーマを練っている、斬新である等
    ★2:どちらかというとおもろくない
    単に異分野が集まってチームを組んだだけ、誰か一人の提案に複数が乗っているだけ、前例の調査不足等
    ★1:全然おもろくない
    本事業の主旨を取り違えている、既知感がかなりある等

    注)「おもろい」といった砕けた表現である理由
    仮にこれを「優れている」とした場合、なんとなく優秀で秀才な内容の雰囲気が漂いますが、これは本事業の趣旨とは若干異なります。他方、「おもしろい」とした場合は、単におもしろいだけのような感じもしてこれもまた異なる感じがします。今回は、本質を突いている、飛び抜けている、画期的である、いいところついている!、といったことを表現するため、このような「おもろい」という砕けた表現を使用しました。なお、「全申請のうち★4つは○%に留める」といった制限を儲けての評価はいたしません。

  • 加えて、「イチ押し!」として全応募中3つまでつけられる評価項目がある(内容は荒削りだが磨けばおもろくなる!といった応募作を評価するため)。

    このイチ押し!を「特別★」となづけ、全応募テーマ中、書面審査員は特別★を3チームにまで につけることができる。これは決して 5つ目の★という意味ではなく、仮に★1であっても、「特別★」 をつけることが可能。審査員がこの「イチ押し!」を表現できる評価によって、「 内容は荒削りだが、可能性は大きい」、「充分に煮詰められてはないが、視点はずば抜けている」といった応募作を評価する。

以上、「★」および「特別★」の数と審査員のコメントを総合的に加味し、書面審査通過チーム(9〜12チーム程度)を決定。

コンテスト本番(最終審査会)

一次審査通過チームに対しては約二ヶ月をかけてキュレーターが研究アイデアおよび表現方法(ポンチ絵デザインなど)等の改善を支援し、コンテストにむけてポンチ絵をブラッシュアップし、このプロセスもまた研鑽の場として、一次審査通過チームへの特典という位置づけとする(少なくとも一度はキュレーターと直接打ちあわせを実施。その後、必要に応じて)。また、一次審査通過チームのタイトルは公開とする。

なお、最終審査会2週間前程度の時点において、最終審査員である山極総長にコメントをもらう(キュレーターが代表して全チームのテーマを説明し一括してコメントを取得)。それらをフィードバックとしてさらに改良に努める。

コンテスト本番は、一枚のポンチ絵を使って各発表者5分程度の“弾丸プレゼン”を実施。質疑応答タイムはなし
プレゼンは、プロジェクターに映写されるポンチ絵を使って口頭にて発表すること(パフォーマンス対決ではない)
その後、いわゆるポスター発表会場形式にて、審査員ならびに他の応募チームとのフリーディスカッションを実施(審査会を兼ねる)
コンテスト本番の審査員には山極総長を始め学内から4名、産業界有識者等学外から4名程度を予定

表彰・副賞

  • ● 最優秀鼎賞1組 研究奨励支援金 100万円
  • ● 優秀賞1組 研究奨励支援金   50万円
  • ● 総長賞1組 研究奨励支援金   30万円
  • ● 奨励賞最大9組 研究支援金   10万円

    前回までの2組より大幅増加。すなわち、書面審査に通過すれば、少なくともその時点で奨励賞(10万円)は確定!

研究奨励支援金は経済界で活躍する本学卒業生からなる「京都大学鼎会」の支援による。
(各賞については「該当無し」となる場合や金額が変更になる場合あり)
詳細な報告書等の提出は不要。

受賞後後のフォローアップとして、ポンチ絵とその説明文を記載した雑誌を製作予定。それを共同研究や寄付の入り口とし、各研究テーマへの連絡先を記載しておく。

募集期間

募集期間 7月1日(日)〜 9月30日(日)

募集・審査スケジュール

7月

7月1日(日)  公募開始

応募したいが他分野の研究者に知り合いがいない、京都大学の研究者とチームを組んで応募したい、
という研究者むけに別途「チームメンバー募集」のマッチングサイト開設
また応募に関する事前相談にも対応
(キュレーターが直接面談し、応募したい内容等について応募前に議論が可能。関連書籍の調査やまとめ作業も支援。なお、事前相談を受けたチームの85%が書面審査を通過しています。お気軽にご相談ください)

「はじめての異分野合同プロジェクト」ガイドブックはこちら

異分野同士でミーティングをするために何かガイドがあればいいのにな・・・という声から生まれました!これを読めば対話のコツだけでなく、本コンテストの思想がよく分かる!(はず)。

7月17日(火)  企画説明会

17:30~吉田キャンパス 学際融合教育研究推進センターにて(WEB中継もあり。その際も参加申し込みを)
企画説明会の詳細はこちら!

7月31日(火)、8月29日(水)  マッチング交流会(@定例開催している全分野交流会)

「コンテスト応募をねらった様々な研究者たちのマッチング交流会」を2度開催します。ご活用ください。
場所は京大吉田キャンパス内を予定。
マッチング交流会(@分野横断交流会)の詳細はこちら!

9月

9月10日(月)〜14日(金)  学内良縁創出プロジェクト「京大100人論文」

本学内における分野横断促進と学内の知り合い作りをうながす企画。今年4回目。
参画研究者らが各自の得意なことや困ったことを出し合い、共同研究相手といマッチングする機会を提供するもの。
ぜひご活用ください(参画登録は8月1日〜)
「京大100人論文」の企画はこちら!

9月30日(日)  公募締め切り

~24:00 締め切りまでに応募は特設サイトよりPDFファイルを送付

10月

10月15日の週に書面審査通過チーム発表

一次審査通過チーム発表(10〜12件程度を予定)その後、ブラッシュアップ期間
(研究内容、プレゼン方法等について少なくとも一度は直接キュレーターと打ちあわせを実施。その後、必要に応じて)
一次審査通過チームには、他のチームの研究タイトル一覧を送付
それを受けての研究タイトル、および、内容の変更可とする
なお、最終審査会2週間前程度の時点において、最終審査員である山極総長にコメントをもらう(キュレーターが代表して全チームのテーマを説明し一括してコメントを取得)。
それらをフィードバックとしてさらに改良に努める。

12月

12月21日(金)  コンテスト本番(最終審査会)

一次審査通過チームがプレゼンテーションおよび審査員とのフリーディスカッション(ポスター発表形式)。
審査の後、表彰式

応募方法

締め切り日までに、下記「応募登録フォーム」からポンチ絵データ(PDFファイル)を送信
その際、応募データ(タイトル、氏名、所属、応募部門、チーム構成、分野など)も合わせて記載

送信はチームの代表者(京都大学所属の教職員、院生、学生)が行うこと
(京都大学所属であることの証明の為、登録にはkyoto-u.ac.jp が含まれたメアドを使用すること)

応募登録フォームはこちら

昨年度のコンテスト情報

昨年度の応募者情報

  • 教授11%、准教授23%、講師4%、助教8%、研究員11%、職員9%、院生30%、学部生4%
  • 最終審査への書面審査通過倍率 約3倍

受賞者らの感想

  • 使途の制約のほぼない研究支援金は大変うれしい
  • 科研費や競争的資金のようなまとまることを前提とした提案ではなく、本当に自分が面白いと思い、面白いよねと言い合える仲間との出会いをもとに、どんどん可能性を追求できた
  • 書面審査での本音ベースの評価はとてもありがたかった
  • 書面審査通過後、数回にわたるキュレーターとの直接議論は、まさに研鑽の場だった。一番成長できた
  • チーム内の議論は試行錯誤の連続でしたが、異分野の人たちがどのような問題意識をもっているのかを知る、とてもよい機会だった
  • 研究の最も基本的なアイデアについて他人の意見が貰え、それを洗練させることが出来る点が一番の価値だった
  • 普段の研究活動では、ある程度細分化したところを出発点として、その分野の専門家にアピールすることを目的として進めてきた。しかし、コンテスト参加を通して、よりメタな視点で物事を捉えることの重要性に改めて気づくことが出来た
  • 真の意味で研鑽の場でした。僕は自分なりにプレゼンも資料作りも得意だと思っていました。着眼点もユニークで本質をとらえているつもりでした。このような、自称「京大教員の平均レベルを超えてる僕」が研鑽させてもらえる場はたいへん貴重でした
  • 研究に対する自分のスタンスを再確認するよい機会になりました。単にポストがあったから京大にいる、というだけではなく、現在進行形で研究を志していることを自ら楽しんでいると思えました
  • 肩書きや業績やコネではなく、アイデアとプレゼン力だけでたたかえるところが一番の魅力だと思います。そして、正当に評価してくださる審査員のみなさまの存在、研鑽のためのすぐれたアイデアをいただけるところも、ふだんの研究費申請とはまったくちがう素晴らしさだと思います
  • 最終発表会は人を蹴落としてあがっていくのではなく、皆で楽しむという雰囲気は京大ならでは
  • 普遍であること、身近な生活を変える可能性、普通の科研費ではおそらく採択されないけど面白い、の3つの印象を受けた発表が多かったようにおもいます

受賞者らのその後

  • デジタルコンテンツの資金にし、広く公開するにいたった!
  • 話し言葉から言語能力を測定するソフトを開発,プロトタイプが2015年度総会で展示される運び!
  • 三重県熊野市で2棟の実験ハウスを建設予定!
  • バイトを雇用し予備実験を重ねている。学会だけでなくギャラリーでも研究紹介できた!
  • 研究者らがあつまってレンタカーをかりて実施調査をした!
  • 調査に必要なプロトタイプを作り、フィールドでの計測実験に必要な寝泊まりの費用に!
  • コンテストで知り合った別のチームと国際会議の立ち上げに!

これまでのタイトル、ポンチ絵はこちら

上記フォームにて、お名前、メアド等、必要情報のご記入し「送信」すると、これまでのコンテストの様子や応募タイトルが閲覧できます。

お問合わせ・FAQ

Q. 研究テーマのポンチ絵は誰を読み手として想定してつくったらいいでしょうか?
論文はその専門分野の研究者、すなわち同じコミュニティの人たちが評価します。雑誌はその雑誌がターゲットとする読み手(例えば、中堅ビジネスパーソン等)が対象ですよね。また、科研費や競争的資金は、その都度、研究者や企業人など有識者が評価するでしょう。では、この学際研究着想コンテストの読み手、すなわち評価者は?とたずねられたのなら、それは「人」です、と答えます。研究者だろうが、一般読者だろうが、企業人だろうが、同じ「人」ですよね。どのような人に読まれても感動をもちうるものでなければ、そのテーマは「本質をついている」とは言えないと思います。
Q. そもそも研究テーマとは何ですか?
あなたが「おもしろい」、「とっても気になる」、または「これは重要だ」とおもい、実際にそれを実行しようとする内容のことです。それは誰に言われてやるものでもない、誰かのためにやるものでもない(結果的に誰かのためになるのは、それはそれでよい)、自分がこころから「やりたい!」と思うこと。それを世に告白するのがこのコンテストです。自分の意思表明と思ってもいい。
Q. ○○について、それをいろんな分野から議論したら面白いと思うんですよね
確かに、一つの事象に対して様々な専門分野が集まってあれやこれやと意見をいうといろんな気づきがあっておもしろいことでしょうね。でも、それはなぜ「おもしろい」のでしょうか。○○について多角的に議論するという研究テーマを考えておられるなら、その多角性をアピールするのではなく、むしろなぜそれをあなたは「おもしろい」と思うのかについて深く考え、それをポンチ絵にてしっかり描いたほうがだいぶんいいとおもいます。そこにあなたの信ずる世が浮かび上がってくることでしょう。

問い合わせは、当サイト「HOME」の「問い合わせ」アイコンをクリック。
または、下記HPより。
http://www.cpier.kyoto-u.ac.jp/inquiry/

なお、今後、最新情報などは当サイトの「HOME」お知らせ情報 にて順次掲載。

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